一定年齢以上になるのだろうが相撲の中継を見たり聞いたりした人なら誰でも聞いたことのある杉山邦博氏の著書だ。
この本を読むまで「杉山氏は相撲の中継をするより競馬の中継をする方がもっと良かったのでは」と思っていた。しかしこの著書によると杉山氏は相撲中継をしたくてアナウンサーになったのだそうだ。「競馬の方が、、、」と感じていたのはやや違っていたのだと思った。
杉山氏の中継は華麗なものだった。その杉山氏が「抑制の美学」を推奨しているので大分戸惑った。まぁ、こういうものなのだろう。
力士を中心にして相撲界のあれこれを記しているので「なるほど」と思うことが多い本だ。杉山氏の記していることを同時並行で知っているものにとっては感心したり「そうだったのか」とびっくりしたりと、それなりにスリリングな本であるのは確かだ。
そしてこの本が杉山氏の独りよがりになっていないのは小林照幸氏が別の角度から相撲について記しているからだ。
特に二人の書き方を合わせたというわけではないのだろうが、時には共鳴し、時にそれぞれの見方が並列されている。なかなかスリリングな感じがある。
かなりコアな相撲好きにとっても面白く読める本だと思う。良い本に出会えたという感じがしている。