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2021-02-24

だれかに話したくなる相撲のはなし 十枝慶二著 2019年 海竜社刊

 ちょっと前に出た本だが、最近刊行されているのを知った。

相撲についての本なのだが、著者の視点は相撲=大相撲ではないようだ。もちろん、大相撲、つまり日本相撲協会が興行している相撲の話が多い。しかし、それらの話も、大相撲は多くある相撲の一つの形態で、色々な経緯があって現在の形で行われているのだ、という考えが根底にあって記されている。

そう言うことなので、多くの相撲についての本よりは視点が広いように思う。相撲=伝統という考え方があり、これは日本相撲協会の相撲興行にあたって基本構想のようだ。だが、著者は構想であるからこそより柔軟に事態に対応できるはず、という提案もしている。

物言いの時に、審判委員がタブレットを持って土俵に上がり、そのタブレットで審判室で見ている画面、つまりNHKの中継画面をみて協議してもいいのでは、という提案は素晴らしいと思う。

勝負の判定にビデオを導入したのは日本相撲協会が始めたことで、その先見性は素晴らしいとしつつも、テレビで相撲を観戦している人たちと同じ画面を審判員が見られないのでは、勝負の判定に疑問を持った視聴者への十分な説明ができない、という指摘はなるほどと思う。

もう行われていないが、以前、物言いのあったときの協議の内容を館内に場内放送で流すことをしていた。内容がよく聞き取れないのでやめてしまったのだが、こういうことも現在ならもっとやりやすくなっているはずなので、タブレットと合わせて考えてみてもいいと思う。

内容としては、個々の力士の勝負などについての蘊蓄を傾けるのではなくて、「大相撲について考えてみる」という趣を持った本だ。考えてみると、こういう内容の本は珍しいように思う。著者の視点に大相撲以外の相撲が入っているのは、学生時代に実際に相撲の競技者であったことが影響しているようだ。そのことが幅の広い視点を提供することにもなっている。肩肘張らずに鋭い指摘をさりげなく行なっている点で、配慮の行き届いた本だとも思われた。

2021-02-20

近鉄バファローズ展

2月13日に野球殿堂博物館に行ってきました。目的は、近鉄バファローズの展示です。ご時世で土日しか開館してないのだそうです。とにかく、近鉄バファローズなのです。これは行くしかないと思って出かけました。会期は2020年12月24日〜2021年4月4日までです。

見当としては、東京ドームまで行けば良いようです。そういえば、東京ドームに行くのも初めてです。知らないところに行くのは、プレッシャーがかかります。でも行くしかないのです。

ちょっと迷いましたが、無事に到着です。

野球の殿堂があると言うのは知っていましたが、来るのは初めてです。

中は野球殿堂入りした人の表彰プレートの掲示が中心になっています。当然ですね。そのほかに展示室や図書室がある、という作りになっています。表彰の方はまぁいいかと思い、目的である近鉄バファローズの展示を見ました。当然と言えば当然ですが、優勝するようになってからの選手のグラブ、バット、ユニフォームが多く展示されていました。

久保、徳久の両輪。小玉、関根、矢之浦、土井といった選手たちはあまり登場しませんでした。まぁ、古い時代のものはあまり残ってないのかもしれませんね。

そういえば、阪神の二塁手だった鎌田がいたり、中日のキャッチャーだった吉沢がいたりと意外な選手がいたりしたこともありました。

展示を見ていると、近鉄の赤い袖のユニフォームを着た5、6人の一団が入ってきました。気合を入れたその姿は、バファローズのファンがまだまだ多いのだなと思わせられました。

もう無くなってしまった球団ですが、試合ぶりを毎朝、新聞で確認していた頃を懐かしく思い出しました。行けて本当によかったです。

そんな訳で、充実した1日でした。


2021-02-18

卵2個の卵焼き

卵2個の卵焼き

卵2個の卵焼きをどうやって作るのだろうと思っていたら、ちゃんとネット上に情報が出ていた。ここだ。

それで、早速やってみた。

実は卵2個の場合の情報が欲しかったのは、調味料をどれくらい入れるのかを確認したかったからだ。1個でやるのはちょと難しいそうなので、2個で作って2回に分けて食べることにした。

卵焼き器は持っていないので、6インチ半のスキレットで作ることにした。考えて選択した様に書いているが正確には、卵焼きを作るのにちょうどいい大きさのものがこれしか無かっただけなのだ。

丸いスキレットなので、ちょっと違う感じになると思ったが、出来上がった後に切れば同じことだと言う感じもあった。

初めてなので加減もわからずに、3回卵を流し入れて、手前に巻いていく作業を繰り返した。焦げない様に気をつけるだけで、だいぶ不恰好だがとにかく卵焼きが完成した。

自分で作ったものの出来を評価できるほどのレベルではないのだが、おいしかった。自分で作ると美味しく思えるのは、ある意味錯覚なのだろうが、満足できるのが一番いいはず。次回やるときはちょっと砂糖を多めにしようかな、と言うのが作り終わっての感想だ。

2021-02-17

シュトルツのワルツ、ポルカ、行進曲集

 1970年頃の録音で随分前になるのだが、シュトルツのウィーン音楽集を改めて聞いてみた。

これまでは、シュトルツの演奏は、豪奢というか、派手な感じもあってクレメンス・クラウスやボスコフスキーの方がいいな、と思っていた。しかし今回聞いてみると、懐古趣味とは違った、力強さを感じた。もっとも、CDの音はマスタリングで変わったりもするので、その影響もありそうだ。

ランナーの作品はあまり聞く機会がないので、このボックスで聞けるのが嬉しい。もっとも、前聞いていた録音と同じ音源なのだがちょっと違う感じの音になっていた。それでも庶民的な親しみやすさを持っているシュトルツの特徴は変わらない。

CD12枚組なので、聞き通すのはなかなか大変だ。しかし、作曲年代順の配列になっているので、作品傾向の変化も分かったりして面白い。そういう点では買ってよかったと思っている。

それにしても、ヨハン・シュトラウスに会ったことのある人の演奏を今聴くのは、不思議な気がする。

もう一つ、面白いことに気がついた。この録音集はウィーン交響楽団とベルリン交響楽団を使って録音しているのだが、録音の数はベルリン交響楽団の方が圧倒的に多いのだ。どういう理由なのかは分からないのだが。

こういうCDは、箱を開いてたまたま手に取った盤を聞く、という聞き方もできる。いろいろと楽しめそうなアルバムだ。

2021-02-10

陰謀の日本中世史 呉座勇一著 角川新書 2018.3刊

陰謀論論破の本だ。著者の専門である、中世を対象とした陰謀論を取り扱っている。

しかし、中身はそれだけではない。 これまで学界で通説として認められてきたことについても触れ、その誤り、というか検証不足についても指摘している。ある意味では歴史学研究の陥りがちな盲点に ついて書いているとも言える。

応仁の乱について触れているところ、本能寺の変について、関ヶ原についてのところなど、通説的な説明が実は不十分な説明であることにも筆を割き、論証している。

一般書といえる本だが、「陰謀論の法則」を述べていたり論点整理を行っていたりして、学術的な面も持っている。

陰謀論を批判している著作だが、歴史研究の上で気をつけるべきことを述べているのではないか、そんな気さえする。そういう面から見ると、歴史研究の入門書ともいえそうな本だと思う。

陰謀論に対抗するためには、きちんとした知識や論証法を持っていたいとも言っているようにも思える。

2021-02-02

明治維新の意味 北岡伸一著 新潮選書

書名のとおり、明治維新を概観した本だ。著者は政治学者ということなので、歴史学者とは違う視点で書いていることがわかる。出版社の案内はここにある。

全体の流れとしては、明治維新に至る過程とその後のいろいろな動きををすっきりと整理して記述している。その中に時折著者のコメントが挟み込まれ、それが単調になりがちな記述にアクセントを加えている。著者のコメントといっても、しっかりとした根拠と思考に裏付けられているので、説得力がある。きちんと参考文献も挙げられているので、この本を起点にしていろいろと考えを進めていけるのはいい点だと思う。

一般書の範疇に入る本だと思われるが、参考文献や年表が充実しているので、著者の見解を検証したり、更に知見を広げたり深めたりするのに役に立つ。そういう意味では、ただの一般書ではない。

内容としては明治維新を民主化への流れ、というふうに捉えているのは新鮮に思えた。これはこの人の著作を初めて読んだので感じたことかもしれない。実際にその方向が実現したのかどうかは別にしても、確かに民主化への流れを思える現象は明治維新の過程にはみて取れるようにも思える。こういう視点は意外であったが、大事なことだとも言える。

それにしても、あれだけの短期間にあんなにもたくさんの改革をしてしまったエネルギーは不思議だ。自覚してそうしたのか、右往左往しているうちにそうなってしまったのか、どちらなんだろうという気もしてくる。そういう意味では、色々と考えさせられる著作でもある。