『氏名の誕生――江戸時代の名前はなぜ消えたのか』の姉妹編だ。
著者は「あとがき」に「現在男女を問わず、私たちが抱く氏名への愛着はどんな歴史を負っているのかー。本書はそれらの歴史的事実を整理して、一通りの概要を示したつもりである。」と記している。
女性の名前は男性の名前とは違った性格を持ち、その歩みも違っていた、ということが柱の一つとなっている。
もう一つ大事なことは名前が明治以後、そして第二次大戦後と二度にわたって大きな変化を遂げていったことが説明されている。
そして大戦後の状況がまた変化してきていることが述べられている。
現在の状況はどうやらこれまでの流れとは全く異質なことになり、前代の状況へいわば誤解に基づいていることが明らかにされている。
この現代の状況がコンピュータによる情報処理に深く関わっていることが示され、これは氏名以外にも漢字への考え方、接し方が変わってきていることも示されている。
ある意味、政府からの強引な変革が混乱をもたらしたとも言えそうだ、と感じた。
氏名についてはもちろんだが漢字についても使い方が変化してきていることが明らかにされている。
「氏名」から漢字や名前への考え方の変遷を描き出しているユニークな著作だ。