ネルソンス指揮のベートーヴェン交響曲全集を聞いた。
なんでも、2020年はベートーヴェン生誕250年なのだそうだ。それに伴っての企画という話だ。ウィーンフィルにとっても、久しぶりのベートーヴェンの全集と言うことになるはず。
この全集を買った理由の一つに、最近のウィーンフィルの評判がある。「実力低下」という人もいるので、自分の耳で確かめてみようという気にもなったのだ。
第1番の交響曲から順に聞いていった。最初の印象は、「あぁ、ウィーンフィルの音だな」だった。ところが、しばらく聞いているうちに、「ちょっと今までとは違うな」と思い始めた。おおらかな、というか、ある意味ではテキトーな所もあるのがウィーンフィルなのだが、この録音ではそうではなく、現代風な感じもある。音がきっちりとそろっていて割合透明な感じもあり、このあたりが「違うな」と思わせたのかもしれない。
ネルソンスは全く初めてで、予備知識も無く聞いたことになる。バランスよく、キチッとオーケストラを鳴らしていた。
ウィーンフィルを振っているとなると、どうしても第6番を注目したくなるのだが、ゆったりした感じが出ていてよかったと思う。それでいて3番、5番という力んでしまいがちな曲でもそうならなかったように思われた。大好きな8番がまた聞きたいな、という感じの演奏だったので、とても嬉しかった。
この演奏だけで判断するわけにはいかないかもしれないが、ウィーンフィル健在と言えそうなので、まずは一安心だった。
ちょっと面白いなと思ったのは、この演奏はCDで発売されているのはもちろんだが、同時にFLACファイルでも販売されている。現在の状況に合わせて、ということと言えるのだが、昔のLPとカセットテープの同時発売を思い出させる。なんとなく懐かしい感じになるのが面白い。
ところで、これからベートーヴェンの録音のラッシュが始まるのだろうか。嬉しいような、困ったような感じがする。贅沢な悩みなのかもしれないが。