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著者は近世史の専門家だ。歴史家が相撲の本を出すのは珍しい。専門家が書いた一般書という位置づけとなる。そのためやや書きにくかったのかなという雰囲気が感じられる。
この本の特徴は歴史研究者が歴史学の手法を用いて書いた相撲の歴史の本ということにつきる。それよりは著者の専門である近世という時代の中に相撲を行う人々を位置づけ、そのありかたを記している。そのため相撲の歴史を書いた本によくある大げさな権威付けをしたり代表的力士や名勝負を列挙するようなことはしていない。そのためそういう記述を期待すると内容にがっかりするかもしれない。それでも著者の相撲好きが伝わってくる記述はあり、ほほえましい。
江戸時代において相撲関係者がどのような意図を持って動いていたのかに関心のある人にとっては好適な本となるはずだ。相撲の歴史的研究を志す人にもスタート地点となり得る本だ。
一般書と言いながら参考文献リストが充実している。このリストを見ていると相撲資料の在り方、研究者の関心の在り方が見えてくるようだ。
この本の出版を契機に相撲史研究の機運が高まっていったらいいな、そんなことを考えた。
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