出版社の案内はここにある。 日本のレスリングの歩みを八田一朗を起源として記している。
八田一朗が始めた小さな動きがだんだん大きくなって行く過程が膨大な資料と取材によって丁寧に跡づけられているのには感心させられた。
この本の本領は、しかしそこにはない。著者はオリンピックで華やかな話題となるレスリングが、実は学校の中だけに生存していることに疑問を持ちつつこの本を書いたようだ。
最後の方になって、競技人口が広がらない理由はレスリングが社会人のスポーツになっていないからで、これからは軍隊式の学校体育を脱却するべきだとして学校外のレスリングクラブの誕生の意義について筆を費やする。
レスリングという競技の問題点を指摘する筆はそれにとどまらずレスリング指導者の持つ問題点にまで及んでいる。そうであってもレスリングに注ぐ著者の視線は暖かい。
分厚いが一気に読み進められる素晴らしい本だ。
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