書名の通り聯合艦隊についての本だ。来歴は著者の博士論文を一般向けに書き直したものだ。その分本格的な研究の様子を知ることができる。
著者は聯合艦隊を海軍内の組織として検討し、臨時的な艦隊が常置になりどのように組織として動いていったのかを検討している。そのため書名から連想されるような戦史ではない。
海軍内でどのような存在であったのか、どのように大きな存在となって行ったのかを跡付けていてその点がユニークだ。これまでこのような視点の研究があったのかは分からないが、新鮮な感じを受ける。
新鮮といえば、著者は日本海海戦を対馬沖海戦と呼んでいる。国際的にはこの呼び名なので好もしく思えた。
粗探しではないが、戦艦扶桑、山城を著者は「航空戦艦」と記している。航空戦艦になったのは両艦の改良型である伊勢、日向なのでちょっと気になった。おそらく博士論文にもこのように記されているのだろう。著者の論旨に影響するようなことではない瑣末なことだが、残念だ。
この著書は著者のこれまでの研究の成果である。この先この研究をどのように深めていくのか注目して行きたい。
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