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2023-12-08

鉄砲を手放さなかった百姓たち 武井弘一著 朝日選書868 朝日新聞出版 2010年刊

なんだか物騒な書名だが江戸時代の農民たちが鉄砲を必要としていたことを記している本だ。そういう点では内容をよく表した署名なのだ。

著者は農村にある鉄砲を「農具としての鉄砲」と定義しその利用がなぜ必要だったのかを綿密な調査に基づいて記している。そのため単なる鉄砲の話というよりも江戸時代の開発のあり方、それの人間への、また動物への影響を記している。さらに言えば農民たちは仕留めた鹿や猪を食用にしていることから肉食が江戸時代にあったことを示している。

鉄砲から始まって著者の筆は江戸時代の農村のこれまであまり注目されていなかった面を解き明かしていく。地味な対象ではあるがなかなか刺激的な著作となっている。

「獣害」というものが江戸時代から起こっていて現代でも続いている。人間と自然との付き合い方はなかなか難しいことなのだ、そういうことにも気づかせてくれる本と言える。

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