1970年代はツートラサンパチが流行っていた時期でした。
一口に「ツートラサンパチ」と言っても、今は説明が必要な時代ですね。なにしろ、オープンリールテープなんて言うものを見かけなくなりましたから。オープンリールテープの規格の一つ、としておきましょう。でもそっけなさすぎるので「2トラックでテープに録音する方式で、その時のテープを送る速度は19cm/sec」という規格でした。テープ録音は録音するトラックの幅が広く、テープを送る速度が速いほど高音質になる、という性質がありました。そういうわけで、ツートラサンパチはアマチュアが手にすることのできる最高の録音方式であったわけです(テープレコーダーについての、これ以上の詳しい説明は、ここでは省きます。ごめんなさい)。
もう一つ説明がいるかもしれません。それはテープレコーダーとテープデッキの違いです。これも説明すると長くなるので、
・録音、スピーカーによる再生がその機器のみできるもの→テープレコーダー
・録音再生ができるがスピーカーを備えていないもの→テープデッキ
としておきましょう。テープレコーダーは単体で使えますが、テープデッキはオーディオ装置の一つとなります。
で、話題のテープデッキです。
http://audio-heritage.jp/TEAC-ESOTERIC/player/a-2300s-2t.html
TEACはいまだに健在で、ハイレゾリューション・オーディオの製品を発表しています。このころはテープデッキのメーカーとして有名でした。当時は据え置き式の製品を中心にしていたような記憶があります。
オープンリールテープはかさばりますし、取扱も注意を要するところがありましたが、切り張りができたりしてマニア心をくすぐる存在でもありました。アナログ音源はダビングを重ねると音質が劣化するという特徴がありましたので、テープをじかにつなげるほうが劣化を防げたわけです。それで「録音マニア」という人たちはオープンリールテープを愛用していました。
テープの利用者には「オーディオマニア」と「録音マニア」とあったように思います。両者は重なる部分も多いのですが、
・オーディオマニア→音楽(特にクラシック音楽)に比重がかかる
・録音マニア→現実音に比重がかかる
といった違いがあったように思います。
70年代には、テープデッキの製造会社主催の録音会というのがよく企画され、マニアが重い録音機材を持参して録音をしていました。テープデッキだけでも20キロ以上はするわけですから、好きでなければできない作業だと思います。
録音する対象はマイクを使ってするもの以外にFM放送の録音もありました。このころはFM放送でコンサートの実況中継もありましたので、格好の音源となっていました。
そんな流行に乗って購入したのがA-2300S-2Tでした。この機種は「ツートラ」でしたが、「サンパチ」ではありませんでした。19cm/secが最大スピードで、その分価格が安かったのが(といっても、安くはない価格なんですが)手に入れた理由です。
使い方は放送の録音(エアーチェックと言ってました)、レコードからの録音でした。レコードからの録音はLPレコードを扱う面倒さを無くせるので、よくやっていました。放送からの録音はテープ代だけで聞きたい曲が入手できるので、便利でした。この機種はタイマー録音ができたので、出かけている時間に放送される番組の録音するためによく利用していました。もっともタイマーが正確でなかったので、録音時間が微妙にずれていたりしていたのは懐かしい思い出です。
オープンリールテープを店頭で見かけなくなっています。もう生産されていないのかなぁ、と思ったりもしています。CDやシリコンオーディオの便利さに慣れてしまうと、オープンリールには戻りにくいのかもしれません。
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