書名のとおり、明治維新を概観した本だ。著者は政治学者ということなので、歴史学者とは違う視点で書いていることがわかる。出版社の案内はここにある。
全体の流れとしては、明治維新に至る過程とその後のいろいろな動きををすっきりと整理して記述している。その中に時折著者のコメントが挟み込まれ、それが単調になりがちな記述にアクセントを加えている。著者のコメントといっても、しっかりとした根拠と思考に裏付けられているので、説得力がある。きちんと参考文献も挙げられているので、この本を起点にしていろいろと考えを進めていけるのはいい点だと思う。
一般書の範疇に入る本だと思われるが、参考文献や年表が充実しているので、著者の見解を検証したり、更に知見を広げたり深めたりするのに役に立つ。そういう意味では、ただの一般書ではない。
内容としては明治維新を民主化への流れ、というふうに捉えているのは新鮮に思えた。これはこの人の著作を初めて読んだので感じたことかもしれない。実際にその方向が実現したのかどうかは別にしても、確かに民主化への流れを思える現象は明治維新の過程にはみて取れるようにも思える。こういう視点は意外であったが、大事なことだとも言える。
それにしても、あれだけの短期間にあんなにもたくさんの改革をしてしまったエネルギーは不思議だ。自覚してそうしたのか、右往左往しているうちにそうなってしまったのか、どちらなんだろうという気もしてくる。そういう意味では、色々と考えさせられる著作でもある。
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