「東ユーラシアの大帝国」という副署名が内容をよく表している。最初にこの副署名を見たときにはその意味がわからなかった。それは唐は中国の王朝だと思っていたからだ。ところが著者によると唐は征服王朝といってもいいくらい中国周辺も民族が参加しているのだそうだ。
そういえば唐の領土はシルクロードをすっぽり包んでいたこともあるのだから今で言う「多民族国家」だったのかもしれない。
騎馬遊牧民の姿が普通である唐はまさしくユーラシアの国だったのかもしれない。
もっと西寄りになるとウマイヤ朝、アッパース朝やチムール帝国、オスマントルコと広大な王朝が浮かんでくる。ヨーロッパ近くにはビザンツ帝国やハプスブルグ帝国も見えてくる。多くの民族が住んでいるのがユーラシアなので広大な領土を持つと嫌でも多民族国家になってしまうのがユーラシアの特徴なのだろう。
著者の視点が新鮮でただの中国史の本ではなくなっているのが素晴らしい。
それに加えて、税の取り方についても詳しく記されている。唐の税制が中心となる記述なのだが今までよく知らなかったことなのでありがたかった。
379ページの新書なのだが読み進めやすい。得難い本だ。
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